こちらは熊本大学大学院教授システム学学生達がたむろする茶室です

A Tribute to R.M.Gagne

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ストーリーセンタード・カリキュラム(5)ケースメソッド・問題解決学習についての補足
ケースメソッドはロースクールやビジネススクールで使われているメソッド、問題解決学習は多岐にわたりますがたとえば医学教育でも採用されているメソッドだと思います。

思うに、問題解決学習は、現実に起きそうな課題を提示し、学習者が能動的に分析し解決案を提示する学習方法。

一方ケースメソッドでは課題を提示し分析させる点では同じですが、課題は過去実際に生じたケースを使用することが多い。また、教授側に予め一つの回答案があるわけではなく、数ある解決案の中から、議論を通じてより良い意志決定をさせることに教育効果があるとする。これは、ビジネススクールを例にとると現実世界の経営意志決定にそもそも一つの決まった正解があるわけではない、という点に即した教授法といえそうです。

ケースメソッドも問題解決学習も、本質的にいかなる学問にも適用できそうですが、法学・医学・経営といった実学において極めて発達しているという状況は興味深いものがあります。

とするとSCCも、Information-basedな学問分野でも適用できそうだが(シャンクもそっちのほうに最近行ってるようにみえる)、上記のようなPerformance-basedな分野により適したインストラクショナルデザイン、といえるのかもしれません。「英検1級」を学習のゴールとする教材には向かなそう。

今度はSCCの設計プロセスを書いてみたいと思います。
・ Step1.学習者のキャリアゴールを設定する
・ Step2.学習者が目標とする人物像の生活の中で経験する活動(activities)を整理する
・ Step3.活動を行う過程で出来事(events)を整理する
・ Step4.Step1-3が適用できるストーリーを作る
・ Step5.ストーリーに無いが、学習者が知っておいたほうが良い事項を整理する。
by unon | 2008.07.29 Tuesday 07:28 | インストラクショナルデザイン | comments(4) | trackbacks(0)
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この記事に対するコメント

Commented by mtoyon at 2008/08/07 3:06 AM
企業の人材開発系におけるケース・スタディの
方略は何か。 実際にあったケースに関するお話と
資料及び質問をセットにして学習する人に渡し
質問へ答える過程で、問題を解決するとき使う原理を
習得させることです。[1]

ケースの演習指示をXML風に書くとつぎのような形です。

事例研究演習書の構造

-------------------------------------------------------

<!-- 事例研究演習書の構造   -->

<!--               -->

<演習書>

  <タイトル タイプ=文字列、値=概要’ />

  <演習目的 タイプ=リスト/>

  <演習活動内容 タイプ=番号付きリスト/>

  <制限時間 タイプ=時間/>

  <事例質問>

     <表題/><指示文/><設問群/>

     <!-- 1.受講者に観察したことを要約、翻訳させる-->

     <!--  つぎが事例研究の核心である。[1]       --> 

     <!-- 2.その状況でのベストの対応は何であったか-->  

     <!-- もし、あなたならば、そのときどう異なる行動をするか-->   

  </事例質問>

  <参照用資料/> <!- このセクションは背景資料へ参照を提供する -->

           <!- 時間外労働問題事例での就業規則などが該当する-->

  <事例情報/>  <!- このセクションは物語の詳細を提供する -->

  <実際標本/>

</演習書>

-----------------------------------------------------

事例研究の演習問題質問文を作成するときの留意点はつぎのとおりです。[1]


1 学習者にどのような思考技法を使ってほしいか、
教材設計者は明確に方針をもって事例演習用質問を記述します。 認知領域の様々なレベルでの領域(たとえば、比較する、対比する、選択肢を導き出す、いくつかあるものから選ぶ)の教育目標を参考にできます。



2 質問文を明解にかつあいまいさなく、
学習者のタスクを定義するように書きます。
つぎのことを受講者に指示します。
演習結果、受講者からのアウトプットとして望ましいメディア
種類演習の解答の組み立てが採点対象であるか否か



ところで、この演習が問題解決を求めるとき、それ
をうまくこなすにはどうしたらよいか。
ネルソン[3]によれば、つぎのこつがあります。


・演習のチームを自分たちで組織する

・ゴールを確認する

・課題は何であるか、理解を共有する

・解決への道筋を自分たちで考え、可視とする

・演習活動にもマイルストーンリストを作る

・期待するアウトプットの形と量に理解を共有する

・チームリーダはファシリテータとして進行をリードする

なお、K-12の問題解決学習をモデルとして提示して
いる例(Eggen & Kauchak 2004) は、問題解決学習の
手順を、つぎのように問題が何であるかを学習する
人に表現させることを含めて提示しています。

問題同定→問題を表現する→問題解決のプランを
たてる→解決を実行する→解決を評価する


さて、ケースはどこから来るのでしょう。

ハーバード大学は、Certoのマネジメント学
教科書に収録している事例について、まとめ
資料を作っています。[2] ケースそのものを現場に
求め、それが商品となるのでしょう。



[1] Alden J. Kirkhorn J. (1996). Case Studies. In (Ed.) The ASTD Training and Development
Handbook pp 497-516

[2] Case Map for Certo http://harvardbusinessonline.hbsp.harvard.edu/b02/en/files/academic/CertoMap.pdf

[3]Nelson L. M. (1999). Collaborative Problem Solving. In (Ed.) Reigeluth C. M. (1999) Instructional-Design Theories and Models
Commented by mtoyon at 2008/08/07 3:21 AM
eラーニング設計の定石であるホートン[1]によれば
ケーススタディの手順は、つぎに示す5ステップです。
Aldenら(1996)と、「一般化させる」の点で帰納的な
ことが似ています。

ステップ1   事例課題を与え発問する
ステップ2   事例を精査させる
ステップ3   事例質問へ回答させる
ステップ4   一般化させる
ステップ5   受講者の出力を評価する
(Horton, 2000)


Horton, W. (2000). Designing Web-Based Training : How to Teach Anyone
Anything Anywhere Anytime. pp.226-227. John Wiley & Son
Commented by unon at 2008/08/09 9:27 PM
toyonさん

ホートンのケーススタディ手順とはちょっと違う定石もあるかも。

ステップ3の亜種として:
ケースには設問が無く、「そもそも何が問題なのか」から考えさせる。

ステップ3と4の間として:
学生同士で議論をさせる。<−これケーススタディでは絶対必要な手順と思う。
Commented by mtoyon at 2008/09/09 11:59 PM
unonさんの言うとおりだね。何を学ぶか自分たちで表せという定石がある。資料のことは忘れたけれどHosheyが,近年の問題解決学習の一般形として問題を学習者に表現させるステップを冒頭に加わえるよう進展したと書いていた。

英国の法曹教育関連機関のサイト[1]が Problem-Based Learningのリソースを紹介していて,そのなかで Queen's Universityの医学部が出しているPBLのマニュアル[2]はケースを使った学習のプロセスにこれがなくっちゃだめ,という必須のステップは四つあると言っている。 その冒頭セションは,どのような問題があるかありったけリストさせること。それをしないと次のセションには進めないunonさんの言うとおりだ。

ぜんぜん領域は異なるんだけれど第二外国語教育のタスクベース学習に関する方略でも,Pre-taskと題するフェーズを設けて,何に取り組むか前もって生徒自身に活動させる点を強調している例がある。その例は,もう話が長くなったから,別の機会にしよう。

[1] Resources on problem-based learning (PBL)
  The UK Centre for Legal Education (UKCLE)
   http://www.ukcle.ac.uk/resources/pbl/resources.html
[2] MD PROGRAM PHASE II PROBLEM-BASED LEARNING
   STUDENT/ TUTOR HANDBOOK 
   School of Medicine of Queen's University at Kingston, Canada
http://meds.queensu.ca/pbl/assets/pblhndbk2006.pdf

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